GaNの話シリコンを粉砕するために捧げたブログ
自動運転のEレースの中のLiDARなどを設計

自動運転のEレースの中のLiDARなどを設計

8 27, 2018

米ニュース・サイトPlanet Analogの編集長Steve Taranovich氏が執筆したこの記事は、もともとPlanet Analogのウエブサイトに2018年8月10日に掲載されました。LiDAR(光による検出と距離の測定)eGaN技術とEPCのGaNソリューションの詳細をご覧ください。

 

私は、電気自動車の推進に異常に関心を持っています。すなわち、電気自動車レースのFormula Eは、私のような技術屋にとって最もエキサイティングなイベントの1つです。このブログの最後にあるリンクのFormula Eに関する私の記事をご覧ください。

最近、私の目を釘付けにしたのは、イタリアのローマにあるFormula Eレースのコースで行われた自動運転車のレースROBORACEのビデオでした:

ROBORACEは、安全で実用的な電気自動車に必要な技術を進化させるために、今まで見た中で最も興味深いモーター・スポーツの1つだと思います。そのユニークさは、彼らのレース・カーが運転者なしで、電気で動くということにあります。クルマの完全な自律性に向かって、人による安全で実用的な運転が可能で、かつ自律的な電気自動車につながるソフトウエア、センサー、および信号処理のエレクトロニクスが進化しています。

ROBORACEのクルマの設計者は、Tron:Legacy、Oblivion、Captain America(これは私のお気に入りの映画の一部です)などの映画に技術的な貢献をしているDaniel Simon氏です

ROBORACEのYouTubeのビデオをチェックしてください:

DEVBOT

DEVBOTは、ROBORACEチームが独自のソフトウエアを開発し、クルマのハードウエアと組み合わせて、それをテストすることを可能にする開発車です。このクルマには、GPSユニット、5個のLiDARセンサー、18個の超音波センサー、6個のBlackfly AIカメラが搭載されています。

LiDAR

LIDAR(光による検出と距離の測定)は、自動運転でテストされた特徴を持っています。つまり、自動ブレーキ、物体検出、衝突回避などを実装するシステムに有用であることが分かっています。自動車に搭載されたLIDARの範囲は、最高60 mです(使用されるセンサーの種類によって異なります)。

公平な立場で言うと、LIDARユニットは重く、サイズが大きく、高価なものになる可能性があります。雨や霧のような気象条件も、これらのシステムの適用範囲と精度に影響を与えるかもしれません。最近の固体LIDARは、かなり小さく、比較的安価です。

DEVBOTのLiDARは、設計が仏ヴァレオのレーザー・スキャナSCALAと思われ、独Ibeo Automotive Systemsを通じて販売されています。

このビデオをチェックする

これまでの自律走行のレース・カーは、かなり管理された条件下で実証されてきました。例えば、DEVBOTは、閉鎖されたコースのラップタイムを比較することによって、人間と競っていました。このときのトラックには、他のクルマがありませんでした。これは直感的ではないかもしれませんが、サンフランシスコの交通をうまく通り抜けるよりも、閉鎖されたコースで早く走る方が簡単です。レース・カーは、自律性のエキサイティングな事例ですが、都市のラッシュ・アワーの交通でクレージーな運転手を避けるよりも挑戦的ではありません。

自律走行レース・カーのもう1つの例があります(ここです)。このクルマは、記事によれば、米ベロダインの LIDARユニットを使っています。参考資料1、2、3を参照してください。

RADAR

RADARは、米デルファイの電子スキャン・システムのようにみえます。この米Mathworksの記事を参照してください:デルファイは、自動車のアクティブ・セーフティ・システム用レーダー・センサー・アラインメント・アルゴリズムを開発しています。 LIDARとRADARのような複数の検出システムを併用することで、さまざまな異なる環境条件下でクルマを確実に運転することができます。

米アナログ・デバイセズは、優れたフェーズド・アレイRADARソリューションを提供しています。以下のビデオをご覧ください:

なぜLIDARにGaNを使うのですか?

Efficient Power Conversion(EPC)のeGaN FETは、自律性や、現実世界の運転環境にとって重要な分解能を向上させます。この業界には多くのGaN FETがありますが、私は、パッケージがなくても済む技術があり、才能のある技術スタッフがおり、GaN技術とそのアプリケーションを業界に広める努力をしているEPCの社員です。

eGaN FET(現在はICもあります)が、自動運転車のすべてのLiDARシステム、そして自律運転のレース・カーで使われている理由は、(レーザー・パルスが非常に短いために)はるかに高い解像度が得られ、(短いレーザー・パルスによって)高速に画像を生成でき、(非常に大きな電流の高速レーザー・パルスによって)高精度でより長い距離を見る能力を可能にするからです。

すべての自動運転車メーカーがEfficiency Power ConversionのeGaNパワー素子を使っていると報告されています。

頭脳

米NVIDIAの自動運転向けのスケーラブルなプラットフォームNVIDIA Driveは、複数のカメラのデータに加えて、LIDAR、RADAR、超音波の各変換器のデータを融合します。このようにして、アルゴリズムがクルマの周囲の環境を360度完全に見ることができます。

ROBORACEとDevBotのクルマのセンサー位置

ROBORACEとDevBotのクルマのセンサー配置に関してもう少し理解するためには、米imgurのウエブサイトをご覧ください:

最初の2つの画像は、センサーの位置、センサーの視界、および最終的なROBORACEカーのレンダリングです。2番目の画像では、クルマは右側を向いています。この超音波装置は白色、LiDARは青色、カメラは黄色、レーダーは赤色で示されています。

最後の4つの画像は、Devbotのセンサーの設置を示しています。ここで、センサーのレイアウトの一部をはっきりと見ることができます。まず、超音波センサー。これらは、フロント・ウイングの上部の下に垂れ下がって見える金属製ブラケットの小さな白い点です。そこには:

  • クルマの前方に6個
  • クルマの後方に6個
  • 各側面に3個

LiDARセンサーが5個配置されているようにみえます:

  • 前方と側面の監視2個(前面の各角に1個)
  • 後方と側面の監視2個(各前輪の陰に1個)
  • 後方の監視に1個(車体後尾に装備される空力部品ディフューザの真上)

クルマの前面に2台のカメラがあります。コンピュータが見るためのAIカメラ1台と、運転者とチームが見るための1台(それぞれ、前面のLiDARの隣にあります)。クルマの屋根にもカメラがあります(おそらく広角カメラ?)。視界画像に基づいて、各LiDARにカメラが配置されていなければなりませんが、後方に面したカメラや、後方側に面したLiDARに隣接するカメラを見ることはできません。

2つのRADARも見えます。1つは中央の前にあり、もう1つは後方のLiDARセンサーの上の中央の後ろにあります。

クルマの周囲には18個の超音波センサーがあり、クルマに非常に近いものを検出します。

以下のYouTubeのROBORACEのビデオをご覧ください:

彼らは、上記のビデオで、前方のレーダーが車体の内側に隠されていると言っています(レーダーが通過する素材の背後にあります)。

米Quanergy Systemsは独メルセデス・ベンツが採用しているEPCのeGaN技術を使ったLiDARセンサーと同じでした。

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