EPC2152: 70 V、12.5 AのePower™ Stage

定格出力電流(1 MHz)(1)、12.5 A
PWMの動作周波数範囲(2)、3 MHz
入力動作電圧範囲、60 V
バイアス電源電圧、12 V

出力電流とPWM周波数の定格は動作条件の関数です
データシートを参照してください

EPC2152 ePower  Stage
チップ・サイズ: 3.9 mm x 2.6 mm x 0.63 mm

アプリケーション

  • 昇降圧コンバータ
  • ハーフブリッジ、フルブリッジ、またはLLC絶縁コンバータ
  • D級スイッチング・オーディオ・アンプ
  • 単相および3相のモーター駆動インバータ *

回路ブロック図

EPC2152 Functional Block Diagram

機能

  • 分離し独立したハイサイドおよびローサイドの制御入力
  • 3.3 VのCMOSロジックまたは15 Vのアナログ・コントローラと互換性のある入力信号
  • 出力ノードでスイッチング時間1 ns
  • 負の過渡状態から動作する丈夫なレベルシフト回路
  • 出力ノードで100 V / ns以上のトリガーの誤動作耐性
  • ハイサイド電源およびローサイド電源の低電圧ロックアウト(UVLO)
ステータス:エンジニアリング
購入時にサフィックスENG *で指定されたエンジニアリング・デバイスは、エンジニアリング・ステータスなので、各地域のフィールド・アプリケーション・エンジニアに最新のステータスを問い合わせずに、信頼性ストレス試験やその他の品質試験に使わないでください。
Ask and EPC Engineer a Question FAQ

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よくあるご質問FAQ

ePowerは、制御機能と出力パワー・デバイスをまとめて集積化したパワー段製品の拡大するファミリーのためのEPCの商標です。それらをePower™ Stageと呼びます。

電力変換の最も一般的な構成ブロックはハーフブリッジです。ハーフブリッジは、同期バック、同期ブースト、LLCコンバータ、さらには、スイッチド・キャパシタやマルチレベル・コンバータでも使えます。

当初、ePower™製品ファミリーの推進役は、ハーフブリッジの出力FETと共にドライバ機能を集積したパワー段(ePower Stage)製品のシリーズです。このシリーズの最初の製品であるEPC2152は、定格出力電流12.5 A、最大80 Vで、2 MHz以上のPWM周波数で動作します。

1年以内に、このファミリーは、最高周波数3〜5 MHz、パワー段当たり15 A〜30 Aの大電流で動作することができる製品を取りそろえる予定です。

ePower™ Stageは、LOGIC INからPOWER OUTまでの機能ブロックとして設計されています。デジタルまたはアナログのコントローラのいずれかからのPWMロジック信号と直接インタフェースし、PWMコマンドを高電圧および大電流に対応できる出力電力パルスに変換します。

GaN FETまたはSi MOSFETのいずれかのディスクリートFETを使う従来の設計では、最適なゲート駆動を実現するために、熟練したレイアウト技術と共に、ゲート・ドライバを外付けしなければなりません。ハーフブリッジ設計では、レベルシフトやブートストラップの設計にさらに注意を払う必要があります。

ePower™ Stageは、ディスクリートFETと比べて、設計を簡素化し、スペースを節約し、より高速にスイッチングでき、より高い効率が得られます。

良く知られた引用を使うと、「eGaN® FETはSi MOSFETを粉砕する」ため、ePower™ Stageは、その製品ラインナップで入力電圧と出力電流の要件が満たされると、最終的に、「パワー段」のベスト・オブ・チョイスとなるでしょう。

市場には、主にマルチチップ・モジュールまたはモノリシックSi ICのいずれかの中に、Siゲート・ドライバとSi MOSFETを統合する他のパワー段製品があります。

この業界では、この製品分野は一般にDrMOSと呼ばれます。DrMOSパワー段は、長年にわたって、ディスクリート設計よりも12 V POL(負荷点)市場で支配的でした。ただし、DrMOSパワー段は通常、入力電圧範囲とPWM動作周波数範囲によって制限されます。

EPCのePower™ Stageは、IC内にGaNハーフブリッジを集積しているため、より高い周波数において高効率で動作します。製品の最初のシリーズは、2 MHzを超えるPWM周波数で最大80 Vまで動作できます。

これらのePower™ Stageの仕様は、48 V入力のDC-DCやモーター駆動用インバータの要件を満たし、DrMOSパワー段で可能な性能を超えています。

EPCは独自のGaN IC技術を使って、同じチップ上に小信号デバイス、高電圧レベルシフト・デバイス、出力パワーFETを集積することができます。

この出力電流能力は、チップ・サイズと熱の考察によってのみ制限されます。さらに大きな電流を必要とする用途において、EPCは、マルチチップ・パッケージ機能を利用して、ePower™ Stageを今後の製品で単一のクワッド・フラット・モジュール(QFM)に統合する予定です。

EPCのGaN FETは、GaNエピタキシャル層の上に構築された横型デバイスで、アクティブ・デバイス領域とそのサポート用のSi基板の間に絶縁層があります。

5 V〜100 Vのさまざまな耐圧の小信号FETデバイスは、抵抗やコンデンサなどの受動デバイスを同じチップ上に搭載できます。これは、GaN出力デバイスと共に集積した有用な回路を構築するための基本的なプラットフォームを形成します。

出力デバイスは、ハーフブリッジや、その他の構成にできます。そして最も重要なことは、ICプラットフォームのGaN出力デバイスとディスクリートGaN FETとを比べると、性能指数FOM(figure of merit)での妥協はありません。

従来のSi MOSFET構造はVDMOSと呼ばれる垂直方向の導通デバイスであり、小信号CMOSまたはバイポーラ・デバイスと簡単には集積できません。

BCDMOS IC のプラットフォームは通常、すべてのデバイスを集積化するために非常に多くのマスク数が必要であり、出力VDMOSデバイスは、最適化されたディスクリートの同等品よりも効率が劣ります。

低電圧のモノリシックBCD(バイポーラ、CMOS、DMOS)プラットフォーム(40 V以下)は、許容可能な性能で集積化を容易にするためにLDMOSを使います。ただし、いずれのBCDMOSプラットフォームも、ラッチアップを引き起こす可能性のある基板の導通電流の影響を受けます。特にダイオードの導通中に出力FETを絶縁するには、特別なレイアウト手法または高価なSOI構造の使用が必要になります。これは、GaN FETに関連する寄生ダイオードがないため、基板の寄生電流導通に関する懸念が小さくなります。

GaN ICのプラットフォームは、開発の初期段階にあり、デバイスおよび回路技術に対して使うことができるツール・ボックスは限られています。Si IC技術は、デジタル論理回路、高精度アナログ回路をサポートでき、最も重要なことは、非常に低い消費電流で回路を設計できる能力があるBCDプラットフォームが非常に成熟していることです。一方、GaN ICは通常、開発のこの段階で、はるかに消費電流が大きく、精度が劣っています。

GaN IC技術のプラットフォームの将来の進展によって、出力FETを備えたチップ上での故障検出や保護回路の設計が可能になります。最終的に検出機能を追加して、コントローラをePower™ Stage製品の中に集積することができます。

ePower™ Stageファミリーの最初の製品はEPC2152です。入力電圧の最大定格は80 V、定格出力電流12.5 A、PWM周波数1 MHzでスイッチングできます。動作条件に応じて、デバイスは最高3 MHzのPWM周波数範囲で動作できます。

出力デバイスは、ハイサイドFETとローサイドFETの両方とも、オン抵抗RDSonが10 mΩ以下のハーフブリッジとして構成されています。内蔵のゲート駆動回路は、出力FETと整合するように設計されており、スイッチング時間は、定格電流で0 V〜60 V のとき1 ns以下です。

20 ns以下の遅延時間で高周波動作が可能であり、ハイサイドとローサイドの遅延時間を一致させることによって、10 ns以下の短いデッドタイムにすることができます。

入力は3.3 Vの論理と互換性があるので、ユーザーはMCUまたはアナログ・コントローラと直接インタフェースすることができます。

EPC2152は、外形がLGAのウエハー・レベルのチップスケール・パッケージ(WLCSP:wafer-level chip-scale package)に封止されています。はんだバンプのレイアウトは、プリント回路基板に実装したときに電力ループのインダクタンスを最小化するために、電流の流れる方向を考慮して設計されています。EPCの開発基板(EPC90120)の電力ループのインダクタンスは0.2 nH以下です。

ハーフブリッジ構成の集積化によって、ハイサイドFETとローサイドFETの間の共通ソース・インダクタンス(CSI:common source inductance)が実質的に排除されます。さらに、集積されたゲート・ドライバは、ゲート駆動のループ・インダクタンスを排除します。どちらも、高速スイッチング時間(1ns以下)の実現に貢献します。

ゲート駆動レベルは、駆動されるFETのゲート駆動要件に個別に合わせるためにフィードバックを使って内部で安定化され、必要な場合は常に、安全な動作レベルを維持すると同時に、低オン抵抗RDSonで駆動します。

内蔵のレベルシフト回路は、スイッチ・ノード遷移事象の8種類(レール遷移を超える、グラウンド遷移を下回る、高dv / dt)のすべてに対して耐性があるように設計されています。

別のユニークな設計は、内蔵の同期ブートストラップ充電回路であり、これは、充電経路で常に低ドロップアウトを維持し、逆回復電荷Qrrがないので、高周波動作が可能です。

EPC2152は、LOGIC INおよびPOWER OUTを備えた機能ブロックとして構成されているため、設計が容易です。ePower™ Stageは、PWMコマンドを最小限の歪みと高効率で電力パルスに変換するため、ユーザーはシステム制御の問題に集中するだけで済みます。

CSP封止のEPC2152は、同期ブートストラップ回路を除いて、少なくとも3個のディスクリート・チップ(ゲート・ドライバと 2個のFET)を置き換えられるため、製造が容易になります。

EPC2152は、CSP形態のディスクリートのゲート・ドライバとGaN FETを使った同等のディスクリート設計と比べて、スペースを少なくとも33%節約できます。SMDパッケージを使ったSi MOSFET設計と比べると、さらに多くのスペースが節約されます。

EPC2152のピーク効率は、バック・コンバータで動作するときに96%以上です。このとき、Vin=48 V、Vout=12 V、fsw=1 MHz、Iout=12.5 Aです。

EPC2152は主に、高効率と小型が要求されるDC-DCコンバータに使うことを目的としています。これらは、通信、サーバーやクライアント・コンピューティング、産業、自動車、防衛の各市場にとって重要な利点です。さらに、GaN IC構造のユニークな特性によって、宇宙やその他の高放射線の環境も対象にしています。

ハーフブリッジ構成のEPC2152を使って、さまざまなコンバータを構成できます。ユーザーは、これらのデバイスでバック・コンバータやブースト・コンバータだけでなく、LLCコンバータも設計しています。一部のユーザーは、スイッチド・キャッパシタ構成で、このデバイスを試しています。

別の有望なアプリケーションは、ロボット工学、ドローン、および電動キックボード向けのモーター駆動用インバータです。これらのモーター駆動用途には、軽量、より高い帯域幅、低トルク・リップルが要求されます。これには、ePower™ Stageを使って構築したインバータが貢献します。

設計サポートの出発点は、EPC2152のデータシート(EPC2152 datasheet)です。これには、電気的な仕様とパッケージ情報の詳細が記載されています。

開発基板EPC90120 は、EPC2152が実際のアプリケーション回路で実行できることの優れたデモンです。デバイスのスイッチング特性について知ることに加えて、プリント回路基板設計では、デバイスの最大特性を実現するためのリファレンス・レイアウトも提供します。クイック・スタート・ガイド(https://epc-co.com/epc/Portals/0/epc/documents/guides/EPC90120_qsg.pdf)やガーバー・ファイル(https://epc-co.com/epc/documents/gerber-files/EPC90120 Development Board Gerbers.zip)を参照してください。

EPC2152を使った最初の完全なリファレンス・デザインは、100 kHz以上のPWM周波数で3相BLDCモーターを駆動するように設計された10 ARMS、15 Apeakのモーター駆動用インバータです。

EPC2152、およびePower™ファミリーの今後の製品には、1/8ブリックの2相バックDC / DCコンバータやLLCコンバータなどのリファレンス・デザインを追加する予定です。

ePower StageのEPC2152の1000個購入時の単価は5.03米ドル(米国での参考価格)です。

開発基板EPC90120 の単価は123.75ドルです。

EPC2152およびEPC90120は、米Digi-Keyのウエブサイト(https://www.digikey.jp/ja/supplier-centers/e/epc?WT.z_cid=sp_917_supplier)で購入でき即時に発送されます。