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eGaN FETを使った48 V入力、6 V出力の900 W小型LLC共振コンバータで98%以上の効率を得る方法

eGaN FETを使った48 V入力、6 V出力の900 W小型LLC共振コンバータで98%以上の効率を得る方法

3 12, 2019

動機

コンピュータや電気通信の市場の急速な拡大によって、中間バス・コンバータ向けに、これまで以上に小型、高効率、高電力密度のソリューションが求められています。LLC共振コンバータは、高電力密度と高効率のソリューションを提供するための優れた候補です。非常に小さいオン抵抗と寄生容量を備えた eGaN® FETは、Si MOSFETを使うときに困難だった大幅な損失低減によってLLC共振コンバータを高性能化します。EPC2053EPC2023などのeGaN FETを採用した48 V入力、6 V出力の900 W、1 MHz動作の LLC DC-DCトランス(DCX)・コンバータがデモされ、比電力48 W / cm2(308 W / 平方インチ)、電力密度69 W / cm3(1133 W / 立方インチ)でピーク効率98.1%が得られています。

高性能LLC DCX

DCXとして動作する変換比8対1のLLCの電源回路アーキテクチャが図1で、フルブリッジの1次側と同期整流器付きのセンター・タップ付き2次側で構成されています。トランスは2×2マトリックスで構成されており、各ユニットの変換比は4対1対1で、確実に低巻線損失、トランスと同期整流器との間の低相互接続インダクタンス、および薄型です。すべてのスイッチは、ゼロ電圧スイッチング(ZVS)で動作することができ、全負荷電力範囲にわたって高効率で高周波動作が可能です。導通損失をさらに低減するために、並列接続した同期整流デバイスを使っています。

Power architecture schematic of the 900 W, 48 V to 6 V LLC converter
図1:48 V入力、6 V出力の900 WのLLCコンバータの電源アーキテクチャ回路図

LLCコンバータ用高性能eGaN FET

eGaN FETは、ゲートの消費電力が非常に小さく、低オン抵抗、低出力電荷(QOSS)であり、ゲートの5 V動作と共に低ゲート電荷(QG)なのでLLCコンバータに最適です。より小さい出力電荷は、2つのメカニズムによってLLCコンバータに貢献します。すなわち、1)ZVSを達成するためにLLC共振タンクに必要とされるエネルギーがより小さいこと、2)実効デューティ比が大きくなることです。図2に示したEPC2053とEPC2023は、それぞれ1次側パワー・デバイスと2次側パワー・デバイスとして選びました。EPC2053は、最大オン抵抗4 mΩ、定格100 Vで、32 Aの連続電流を供給できます。EPC2023は、最大オン抵抗1.45 mΩ、定格30 Vで、90 Aの連続電流を流すことができます。いずれのeGaN FETも最大接合部温度150℃まで動作します。

EPC2053(上図)とEPC2023(下図)のバンプ側の写真
図2:EPC2053(上図)とEPC2023(下図)のバンプ側の写真

実験的検証

DCXとして構成された比率8対1、900 W対応のLLCコンバータは、1次側スイッチ(Q1~Q4)にEPC2053を使い、2次側同期整流器(SR1~SR16、基板の裏面にSR9〜SR16)にEPC2023を使って構成しました。この基板は、4極のUIコアを備えた14層基板上に2×2のマトリックス・トランスを組み込んでいます。

An 8:1 ratio, 900 W, LLC DCX using EPC2053 and EPC2023
図3:EPC2053とEPC2023を使った比率8対1、900 WのLLC DCX

全電力、48 V入力で測定されたスイッチング波形が図4です。1次側と2次側の両方のデバイスにオーバーシュートとリンギングがないことから、完全なZVSを実現していることは明らかです。

40 V、48 V、60 Vの入力電圧に対する出力電力と効率の関係を図5に示します。これは、LLCコンバータが60 Vと48 Vの入力でそれぞれ98.1%と98%のピーク効率が得られることを示し、広い動作範囲にわたって高い効率を維持しています。

入力電圧48 V、900 W負荷の条件でのスイッチング波形
図4:入力電圧48 V、900 W負荷の条件でのスイッチング波形
入力電圧40 V、48 V、60 Vでの出力電力と電力効率の関係
図5:入力電圧40 V、48 V、60 Vでの出力電力と電力効率の関係

エアフロー400 LFMのとき、入力54 V、負荷900 Wで動作するLLCコンバータの熱特性が図6です。得られた優れた熱特性は、すべての主要部品の温度が最大動作温度の制限をはるかに下回っていることを示しています。

54 V入力、900 W負荷で動作するLLCコンバータの熱画像
図6:54 V入力、900 W負荷で動作するLLCコンバータの熱画像

結論

900 Wを供給できるeGaN FETを使って構成した48 V入力、6 V出力のLLC中間バス・コンバータは、実験でピーク効率98%が得られました。eGaN FETの低ゲート容量、低出力電荷、低オン抵抗は、1100 W / 立方インチを超える電力密度を達成した上で、これを実現するための鍵となりました。

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