EPC9196は、96～150 Vのバッテリー用途向けに最適化した25 ARMSで3相のBLDCモーター駆動用インバータです。
エンハンスメント・モード窒化ガリウム（eGaN®）のパワー・デバイスの世界的リーダーであるEPC（Efficient Power Conversion Corporation、本社：カリフォルニア州エルセグンド）は6月10日、eGaN FET のEPC9196を搭載した25 ARMS、3相のBLDCモーター駆動用の高性能インバータのリファレンス・デザイン「EPC2304」を製品化したと発表しました。EPC9196は、無人搬送車（AGV）のステアリング・システム、小型自動運転車のトラクション・モーター、ロボットの精密モーター・ジョイントなど、中程度の電圧（96 V～150 V）のバッテリー駆動のモーター駆動用途向けに特別に設計されています。
EPC9196は、モーター駆動のリファレンス・デザインにおける重要なギャップを埋めます。この電圧と電流の組み合わせで動作するリファレンス・デザインは、他にはないため、EPCはシステム設計者に、25～400 ARMSの適用範囲の下限において開発を加速し、システム性能を最適化する小型、高効率、かつ、すぐに導入可能なソリューションを提供します。
EPC9196の心臓部は、放熱特性に優れたQFNパッケージに封止され、定格200 V、オン抵抗3.5 mΩ（標準値）のeGaN FETであるEPC2304です。極めて低いオン抵抗と小型な形状で比類のない性能を備えたEPC2304を採用することで、EPC9196は、最大100 kHzのスイッチング周波数で最大35 Apk（25 ARMS）の相電流を供給できます。この性能によって、スイッチング損失が低減され、デッドタイムは最小限に抑えられ、高いPWM（パルス幅変調）速度でも滑らかで低雑音が可能なモーター駆動を実現できます。
EPC9196の主な特徴は以下です：
- 30 V～170 Vの広い入力電圧範囲
- ゲート・ドライバ、ハウスキーピング電源、電流と電圧の検出、過電流保護、温度のモニター機能を内蔵
- 米マイクロチップ・テクノロジー、スイスのSTマイクロエレクトロニクス、米テキサス・インスツルメンツ、ルネサス エレクトロニクスの複数のモーター駆動用コントローラのプラットフォームと互換性あり
- モーター駆動用途向けに最適化したdv/dt制御（10 V/ns以下）
- センサレスまたはエンコーダ・ベースの制御構成に対応
EPC9196は、実際の環境下で検証済みであり、3 kWのサーボ・モーターを直流150 V、スイッチング周波数60 kHzで駆動します。この設計は、リンギングを最小化したクリーンな波形を提供し、ヒートシンクの有無にかかわらず優れた熱特性を示すため、ベンチ評価と量産に向けたプロトタイプ製作の両方に適しています。
「EPC9196の製品化によって、ロボット、AGV（無人搬送車）、小型EV（電気自動車）に携わる技術者は、大電流向けに再設計することなく、GaNの優れた性能を最大限に活用できるようになります」とモーター駆動システムおよびアプリケーション部門ディレクタのMarco Palmaは語りました。
米国での参考価格と入手方法
リファレンス・デザイン基板EPC9196の単価は812.50米ドルです。
EPC2304は、3000個のリール購入時の単価が3.68ドルです。
リファレンス・デザイン基板とデバイスは、米Digi-Key社のウエブサイト（https://www.digikey.jp/en/supplier-centers/epc）から注文でき、即座に配送されます。
EPCについて
EPCは、エンハンスメント・モード窒化ガリウム（eGaN®）に基づいたパワー・マネージメント（電源管理）・デバイスのリーダーです。eGaN FETと集積回路は、DC-DCコンバータ、 リモート・センシング技術（Lidar）、イーモビリティ向けモーター駆動、ロボット、ドローン、低価格衛星 などの用途で、最高のパワーMOSFETよりも何倍も高性能です。
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報道関係の問い合わせ先
Renee Yawger 電話：1.908.475.5702、電子メール：[email protected]
eGaNは、Efficient Power Conversion Corporation, Inc.の登録商標です。