EPC（Efficient Power Conversion Corporation、本社：カリフォルニア州エルセグンド）は9月30日、最新のハイエンドのマルチチャネル・パワー・アンプMaxxシリーズを設計するときの独イノソニックスの大きな懸案だった待機時の消費電力と全体的な効率の改善に対処したと発表しました。従来のシリコンFETから、EPCのeGaN FETである EPC2059に変更することで、待機時の損失を35％削減し、オン抵抗を下げて、全電力効率を5％向上させました。
EPC2059は、オン抵抗6.8 mΩ、耐圧170 Vのエンハンスメント・モード窒化ガリウム（eGaN）・トランジスタで、ハイエンド・アンプの用途に対して優れたオーディオ性能を提供します。EPC2059の低オン抵抗と低容量によって、高効率化が可能になり、開ループ・インピーダンスが低下するので、過渡相互変調歪み（T-IMD）を低減できます。さらに、高速スイッチング能力と逆回復電荷ゼロによって、出力の直線性が良くなり、クロスオーバー歪みが低減され、全高調波歪み（THD）が小さくなります。
eGaN FETのEPC2059を使うことによって、イノソニックスは、全ゲート電荷がほぼ半分に減少したため、待機時のスイッチング損失を減少させることができました。この出力容量は、最大ドレイン電圧を3倍にするために、わずか2倍になるだけなので、イノソニックスは、フルブリッジ設計からハーフブリッジ設計に切り替えることができ、部品のコストも削減できました。パッケージのインダクタンスが小さいと、きれいなスイッチング波形が得られ、ほぼ完全なスイッチング電圧が得られるため、直線性が向上します。これによって、高調波歪みが約6dB減少し、主観的なオーディオ品質が聴覚的に改善され、ユーザーにメリットをもたらしました。
マルチチャネル・パワー・アンプのMAxxは、住宅、科学、産業、および多くのチャネル数が必要とされる他の多くの用途におけるハイエンド・オーディオ設備の前例のない標準となっています。MAxxシリーズは、チャネル当たりの観測されないほどの低消費電力と相まって、多くの機器が1日24時間、週7日稼働しているため、CO2排出量を削減するという現代の世界の要求に完全に適しています。
MAxxシリーズは、1つのユニットで、ラックのスペース当たりのチャネル数が最大になります。この高密度パッケージは、従来のソリューションでは不可能だったまったく新しい設計の視点を提供します。
イノソニックスのCEO（最高経営責任者）であるMarkus Bätzは、「EPCと協力できることをうれしく思います。小さな会社は、大きな半導体メーカーとビジネスをして、真剣に受け止められることは必ずしも容易ではありません。当社の電圧電流と価格要件に完全にマッチし、その小さな形状が高密度回路を設計するための素晴らしい特徴なので、当社はeGaN FET のEPC2059を選択しました」とコメントしています。
「このアプリケーションは、GaNがもたらす真のメリットの優れた例であり、代理店である独Finepowerと緊密に協力して、Maxxパワー・アンプがもたらす設計上の課題に対応する最適なeGaN FETを見つけました」とEPCのセールス・ヨーロッパ部門バイス・プレジデントのWolfram Krügerは述べています。
EPCについて
EPCは、エンハンスメント・モード窒化ガリウム（eGaN®）に基づいたパワー・マネージメント（電源管理）・デバイスのリーダーです。eGaN FETと集積回路は、DC-DCコンバータ、リモート・センシング技術（Lidar）、イーモビリティ向けモーター駆動モーター駆動 、ロボット、ドローン、低価格衛星などの用途で、最高のパワーMOSFETよりも何倍も高性能です。
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Innosonix（イノソニックス）について
ドイツ製のマルチチャネル・オーディオ・アンプのスペシャリストです。住宅／マリーナ市場での設置、または小さなスペースで多くのチャネル数が必要な研究や技術音響に向けた高品質オーディオに関しては、最初の選択肢です。
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