EPC(Efficient Power Conversion Corporation、本社:カリフォルニア州エルセグンド)は5月6日、中国国家知識産権局(「CNIPA」)がエンハンスメント・モードGaN半導体デバイス向けの「補償ゲートMISFETおよびその製造方法」というタイトルのEPCの特許(中国特許番号ZL201080015425.X)のクレームを有効にしたと発表しました。
2024年4月30日の決定は、「エンハンスメント・モードGaN HEMTデバイスおよびその製造方法」というタイトルのEPCの中国特許(中国特許番号ZL201080015388.2)の主要なクレームの有効性を確認した2024年4月2日のCNIPAの発表に続くものです。両方の EPCの特許は、中国Innoscience (Suzhou) Technology Co., Ltd.(「Innoscience」)によって異議を申し立てられました。
従来のシリコン・ベースのパワー・デバイスと比べて、GaN技術は、効率が高く、スイッチング速度が速く、サイズが小さいという大きな変革をもたらしています。GaNデバイスは、人工知能(AI)サーバー、自動運転車、次世代急速充電器、ドローン、電動自転車、人型ロボットなどの用途で使われています。中国特許番号ZL201080015425.Xは、ゲートの漏れを低減したEPC独自のエンハンスメント・モードGaN電界効果トランジスタ(FET)の基本設計と構成をカバーしています。業界関係者のほとんどは、この特許の対象となるGaNゲート技術を採用しています。
「これらは、当社の幅広いイノベーションのポートフォリオをサポートする2件の基本特許であり、CNIPAが当社の貴重な知的財産の有効性を再度確認したことを嬉しく思います。このような迅速、公正かつ効率的な決定は、企業がグローバルに活動するために必要な法制度に対する信頼を高めることになります」とEPCのCEO(最高経営責任者)で共同創立者のAlex Lidow(アレックス・リドウ)は語っています。
2023年5月、EPCは、米国ロサンゼルスの米国連邦裁判所と米国際貿易委員会に訴状を提出し、Innoscience (Zhuhai) Technology Co., Ltd.とその関連会社がEPCの中国特許番号 ZL201080015425.XおよびZL201080015388.2に対応する米国特許を含む基本的な特許ポートフォリオを侵害していると主張しました。これに対して、Innoscienceは、中国特許2件を無効にするようCNIPAに申し立てました。
Efficient Power Conversion(「EPC」)について
EPCは、窒化ガリウム(GaN)ベースのパワー・デバイスの開発と製品化を通じて、パワー・エレクトロニクスの分野に特化した技術のリーダーです。世界中で700を超える積極的な顧客を持つEPCの製品は、自動車、産業、コンピューティング、宇宙の各アプリケーションのパワー・エレクトロニクスを含む幅広い分野の大手企業で使われています。GaNデバイスは、自動運転、ロボット、衛星、AIサーバーなどの次世代技術の開発にも不可欠です。EPCは、世界中で200件を超える特許と出願をしており、これはGaNベースのパワー・デバイスにおける主要なイノベータとしてのEPCの地位の証です。