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48 V/12 Vの自動車用評価パワー・モジュール(EPC9137、EPC9163、EPC9165)は、2相同期バック/ブースト構成を利用

48 V/12 Vの自動車用評価パワー・モジュール(EPC9137、EPC9163、EPC9165)は、2相同期バック/ブースト構成を利用

2 11, 2022

はじめに

48 V/12 Vの自動車用評価パワー・モジュール(EPC9137EPC9163EPC9165など)は、2相同期バック(降圧型)/ブースト(昇圧型)の回路構成を採用しています。エッジ・コネクタとコントローラ・カードも、1枚のコントローラと、並列接続した2枚のモジュールを動作させられるように設計されており、効果的に4相を実現し、定格電流と定格電力を2倍にできます。EPC9137モジュールの使用例が図1です。

図1. 1枚のコントローラEPC9528を使って、3 kW(12 V、250 A)の出力を実現するために並列接続した2枚のEPC9137。

接続

この2枚の基板構成と4相コンバータの違いは、12 Vの接続インピーダンスです。理想的には、コイルの電流リップルの相殺を実現するには、このインピーダンスを非常に低くする必要があります。したがって、図2に示すように、12 V(低電圧)はバス・バーまたは8 AWGの短いワイヤを使って接続し、確実に低インピーダンスにしなければなりません。48 V(高電圧)バスの接続は、それほど重要ではありません。ただし、寄生の共振を避けるために、低インピーダンスが依然として推奨されます。アース線(GND)も対応するバスとペアにして、アース・ループを回避する必要があります。

図2. 1枚のコントローラEPC9528と、並列に接続された2枚のEPC9137は、48 Vバスと12 Vバスの接続を示しています。12 Vバスでは、基板間に低インピーダンスが必要です。

検出とPWM

図3に示すように、検出信号とPWM(パルス幅変調)信号は、エッジ・コネクタを介してルーティングされます。両方の基板のJ800のジャンパを必ず取り外してください。コントローラ用の3.3 Vは、基板1によってのみ供給されます。各基板は、独自の5 V電源を生成します。エッジ・コネクタのピンの制限によって、2枚の基板の並列接続のみがサポートされています。PWM信号の位相シフトは、適切なリップル相殺を保証するように変えています:PWM1と2は、PWM3と4の場合と同様に、180度位相がずれており、PWM1と3には90度の位相シフトがあります。

図3. 1個のコントローラに接続された2枚の基板の回路ブロック図。

制御

帯域外電流平衡化による平均電流モード制御を採用しています。簡略化した制御回路図が図4です。外側の電圧ループは、位相1のコイルの平均電流IL1の電流リファレンスIREFを生成します。残りの相のコイル電流IL2、IL3、IL4が検出され、IL1と比較されます。不均衡がある場合は、不均衡を最小限に抑えるために、各位相のデューティ比のオフセットΔdが生成されます。主制御ループと比べて、はるかに低い周波数、通常は10 kHzで生成されます。

図4. 平均電流モード制御ループの制御回路図

ヒートシンクのフィンの方向によって、風下の基板は冷却のために空気の流れが減少します。定格電力の近くで動作する場合は、最低2000 LFMが必要です。冷却が不十分なため、実際の出力電力は2枚の個別の基板の合計よりも少ない場合があります。

実験結果

図5は、48 V入力、12 V出力で動作する2枚のEPC9137基板で測定した効率と損失を示しています。図6は、全負荷(12 V、250 A出力)での対応する熱画像です。気流の方向によって、風下に配置された基板は高温になります。

図5. 並列に接続した2枚のEPC9137の効率と損失の測定。VIN=48 V、VOUT=12 V、f=250 kHz。
図6. 2枚のEPC9137の熱画像の例。VIN=48 V、VOUT=12 V、IOUT=250 A、f=250 kHz。風下の基板の方が熱くなります。

まとめ

48 V/12 Vの自動車用評価パワー・モジュールは、適切に冷却された場合に定格電力の2倍が得るために並列接続できるように設計されています。詳細な接続図、制御方法、電流の平衡化の資料を用意しています。2枚のEPC9137と1枚のEPC9528を備えたシステムの例は、48 Vを12 Vに変換するときに、3 kWの出力でテストしています。