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関節の内部:GaN ICが人型ロボットの超小型モーター駆動を実現する仕組み

関節の内部:GaN ICが人型ロボットの超小型モーター駆動を実現する仕組み

8 05, 2025

人型ロボットの未来は、小型、高効率、そして信頼性の高いモーター制御にかかっています。1グラム、1ミリメートル、1ミリワットの精度が重要です。だからこそ、EPCは、人型ロボットの関節部への組み込みに特化した3相BLDCモーター駆動のリファレンス・デザインEPC91118を開発しました。この製品は、比類のない電力密度とスイッチング特性を実現するモノリシックGaN ICを搭載しています。

なぜ人型ロボットなのか?

人型ロボットは、研究室から商業展開へと移行しつつあります。人間のような形状によって、倉庫、工場、オフィス、さらには家庭など、人々のために作られた環境において自然な関わりが可能になり、器用さ、移動能力、そして人間と機械の交流を必要とする作業に最適です。

開発を推進する主な使用例:

  • 物流と倉庫の自動化:歩行ロボットは、車輪付きAGV(無人搬送車)が通行できない不整地や階段を越えて商品を運搬、移動できます。
  • 顧客サービスとホスピタリティ:音声対応人型ロボットは、フロントデスクの業務、ツアー・ガイド、小売店のレジでの対応を支援できます。
  • 医療支援:患者の移動、モニタリング、さらには付き添いなどを支援します。
  • 災害対応:人が立ち入ることが危険な場所や崩壊した場所を移動します。

人型ロボットがこれらの役割に効果的に機能するためには、特に関節部分において、高精度で応答性に優れた小型なモーター制御システムが必要です。モーターは、軽量、高トルクで小型の筐体に容易に組み込めなければなりません。このため、EPC91118のようなGaNベースのインバータは、それを可能にする技術です。

EPC9118:32 mm基板上の完全なモーター制御システム

EPC91118の中核となるデバイスは、ゲート・ドライバとレベル・シフト回路を内蔵した100 VのGaNモノリシック・デバイスEPC23104 (ePower™ Stage IC)です。このICを3個組み合わせることで、以下の機能を提供する高効率3相インバータを構成できます:

  • 1相当たり最大15 ARMSのパルス電流(連続10 ARMS
  • 100 kHzのPWM(パルス幅変調)周波数でデッドタイムが50 ns
  • 15~55 Vの入力電圧範囲

EPC91118は、すべての重要なモーター制御機能を、直径32 mmの関節ハウジング内に収まる単一の円形プリント回路基板に統合しています。

  • ローター・シャフト磁気エンコーダ、1024パルスの分解能とSPI(Serial Peripheral Interface)サポートを装備
  • 電流検出、過電流検出機能付き44 mV/Aホール効果センサーを使った2相
  • 電圧検出、利得44.89 mV/V
  • マイクロコントローラSTM32G431
  • 通信インタフェースRS485
  • 5 Vと3.3 Vの電源レール
  • すべてMLCC(積層セラミック・コンデンサ)のDCリンク・コンデンサ(電解コンデンサなし)
Top and bottom views of EPC91118
図1:EPC91118の表面と裏面の写真

GaN ICがロボットにおいて重要な理由

ロボット関節用の従来のシリコンMOSFETベースのインバータは、長いスイッチング・デッドタイム、大型の電解コンデンサ、そして個別の駆動回路を必要とします。このため、特に膝、手首、足首といった狭い機械空間内に電子機器を配置する場合、小型化が制限されます。

EPC91118は次のような課題を解決します:

  • GaNのモノリシック集積化によって、部品点数が削減され、レイアウトが改善され、形状が小型化されます。
  • 高いスイッチング周波数(100 kHz)によって、電解コンデンサの代わりにMLCCを使えるので、基板の厚さを薄くできます。
  • 低いオン抵抗RDS(on)(標準8.7 mΩ)と高速スイッチングによって、損失が低減され、熱特性と1 W当たりのトルクが向上します

同等のシリコン・ソリューションと比べて、EPC91118は次の性能を実現します:

  • インバータの実装面積を66%縮小
  • 電解コンデンサ不要
  • モーター制御帯域幅の拡大

人型ロボット(およびドローン)向けに設計

このリファレンス・デザインは、小型、軽量、そして信頼性の高いパワー・エレクトロニクスが不可欠な人型ロボットの関節や小型UAVの推進システムに搭載されるモーター向けに最適化されています。形状とレイアウトは、人型ロボットへの組み込みに特化して設計されており、同様のプラットフォーム向けに柔軟な取り付けオプションを備えています。

RS485インタフェースは、一般的なロボット通信バスとの互換性を確保し、JTAGコネクタは、リアルタイムのファームウエア・デバッグとGUIベースのモーター制御設定をサポートします。

Block diagram overview of the EPC91118 evaluation board
図2:評価基板EPC91118の回路ブロック図の概要

評価と開始方法

EPC91118は、標準的な関節モーターを50 rpmで動作させるようにプログラム済みで、JTAGまたはRS485経由でファームウエアを簡単に再構成できます。システム・レベルの効率テストでは、さまざまな速度とトルクにわたって丈夫な性能を示し、動的なロボット環境での使用が実証されています。/p>

実験による評価として、EPC91118基板を動力測定ベンチで、さまざまな負荷トルクおよび回転速度条件下でテストしました。このインバータは、100 kHzのPWM(パルス幅変調)、50 nsのデッドタイムで動作させました。

直流電気入力から出力機械動力までのシステム全体の効率と負荷トルクの関係を、回転速度50 rpmから150 rpmの範囲で以下に示します。システム効率には、インバータの効率とモーターの効率も含まれます。

System efficiency vs. load torque
図3:さまざまなローター速度におけるシステム効率と負荷トルクの関係

結論

EPC91118は、単なるモーター駆動装置ではありません。サイズ、効率、そして統合性が最も重要となる組み込みモーター制御のためのプラットフォームです。GaNを搭載したこの基板は、ロボット設計者に、次世代の人型ロボットや自律型装置におけるメカトロニクスとモビリティの限界を押し上げるためのツールを提供します。

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