クイック・リファレンス: チップ装着

注) このガイドでは、単一チップのチップ装着手順を説明します。もし、2チップが横並びに配置されるなら、同じ手順を使うことができますが、直径の大きなホット・エアガンのノズルは、両方のチップ上の中心で使わなければなりません。

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機器/備品

消耗品:

  • 粘着性フラックス
  • 糸くずの出ないワイプ
  • イソプロピル・アルコール
機器/備品

機器:

  • 帯電防止マット
  • ESD(静電気放電)防止用リスト・ストラップ
  • 静電対策ラボ用白衣
  • プリント回路基板の赤外線予熱器
  • ホット・エアガン
  • 顕微鏡
  • 帯電防止ピンセット
  • 帯電防止マイクロスパチュラ
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チップ取り扱い上の注意

  • ESD対策が必須です。
  • 工作物やチップの過熱を防ぎます。
  • プリント回路基板上に置く前に、チップの向きを確認します。
  • チップを配置するとき、または、作業領域をきれいにするときに、過剰な力を加えないでください。
  • 最大チップ寸法よりも、わずかに直径が大きいノズルのホット・エアガンを使います。
  • はんだ付け温度が重要であり、±10℃を超える変動は、問題を引き起こす可能性があります。
  • ホット・エアガンでチップが吹き飛ばないようにしてください。
  • 常にフラックスをキュア(硬化)してください(樹枝状結晶突起を防ぐ)。
  • テスト中に、チップに過電圧を加えないでください。
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静電気対策

静電気対策 警告
  • 処置は、グラウンドに接地された帯電防止マットまたはベンチ上で行ってください。
  • グラウンドにすべてのテスト機器を接続してください。
  • ESD防止用リスト・ストラップや静電対策ラボ用白衣を着用しなければなりません。
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加熱用プリント回路基板を準備

加熱用プリント回路基板を準備
  • ヒート・プレートの上に回路基板を置きます。
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パッド領域を洗浄

パッド領域を洗浄
  • チップのパッド領域をイソプロピル・アルコールで洗浄し、糸くずの出ないワイプで拭きます。
  • 回路基板を乾燥させます。
  • 素手でパッド領域に触れないでください。
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プリント回路基板を予備加熱

プリント回路基板を予備加熱 Heating precaution
  • チップのパッド領域の上にホット・エアガンのノズルの中心を合わせて、取り付けます。
  • ホット・エアガンを持ち上げ、作業領域から横にそらします。
  • プリント回路基板の作業領域に決して触れないでください。
  • ヒート・プレートの温度センサを回路基板の上に配置します。
  • ヒート・プレートの電源を入れて、150℃に設定します。
  • ホット・エアガンをオンします。150℃に設定し、チップが吹き飛ばないように、最小に近いエアフローに設定します。
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フラックスの塗布

  • プリント回路基板が150℃に達したら、帯電防止マイクロスパチュラを使ってチップ領域のパッドに少量のフラックスを塗布します。
  • 必要な領域にフラックスが流れることを確認し、パッド周辺にフラックスのない領域が存在しないことを確認してください。
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チップの向き

チップの向き Static warning
  • 正しい接続を確実に行うために、チップの向きを確認してください。
  • パッド領域の上にチップを配置します。
  • パッドとはんだマスクのマーキング(該当する場所)とが整列するようにチップをそっと動かします。
  • はんだ付けの前に、顕微鏡を移動します。
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チップのはんだ付け

Heating precaution
  • チップの中心に位置を合わせするために、エアガンを回転させます。
  • チップの表面から約1/16インチ(1.5mm)までホット・エアガンを下げます。
  • ガンの温度を200℃に設定し、45秒間、ほぼ最小のエアフローにします。
  • 警告 警告:過度なエアフローは、チップを動かします。
  • この作業全体を通してチップの位置が動いてないか確認します。
  • ガンの温度を240℃に上げます。その温度に達したら、30秒間維持します。
  • ガンの温度を260℃に上げます。その温度に達したら、12秒以上、15秒以内の間維持します。
Temperature guide
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ホット・エアガンの取り外し

ホット・エアガンの取り外し
  • 260℃で12秒たった後、ゆっくりエアガンを上げます。
  • ヒート・プレート治具からエアガンを取り外します(エアガンをオフしないでください。ほとんどのエアガンは、冷えるまでエアフローを最大に増加させるので、これが回路基板からチップを吹き飛ばします)。
  • エアガンをオフして、ホット・エアガンのステーション・ホルダーに戻します。チップやプリント回路基板にエアガンを向けないでください。
  • 警告 警告:工作物は、熱くなります!
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フラックスのキュア/冷却/回路基板の取り外し

  • フラックスをキュア(硬化)するために、150℃に設定して30分間、ヒート・プレート上にプリント回路基板を置いておきます。フラックスが、ねばねばしていなければ、フラックスはキュアされています。
  • 警告 警告:物が熱くなるので、燃えないように、工作物の周りに細心の注意を払ってください!
  • ヒート・プレートをオフして、このプリント回路基板を室温(約15分)まで冷やしてください。
  • 回路基板を取り外して検査します。
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目視検査

  • きれいな帯電防止マイクロスパチュラを使って、チップ周辺のフラックスの粘着性を確認してください。フラックスは、非粘着性でガラスのように感じるはずです。
  • プリント回路基板に関してチップが平らに置かれているかを顕微鏡で拡大して確認してください:傾いたチップは、はんだ付けの不良を示している可能性があります。
  • チップ周辺のはんだの短絡をチェックしてください:パッド間の短絡があってはなりません。
  • はんだボールをチェックしてください。もし見つかったら除去します。これは、はんだ付けの不良を示すかもしれないので、さらなる検査を推奨します。
  • 顕微鏡を使って、チップのパッド間のはんだをチェックしてください:すき間は、許容できないチップの配置を示しています。
  • 回路基板のテストに進みます。
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電気テスト:すべての回路基板

警告
  • デジタル・マルチメータを使って、ドレイン(赤色:正)からソース(黒色:負)への抵抗を測定(MΩレンジに設定):大きい値(1MΩ以上)でなければなりません。短絡(1Ω以下)は、チップの不良、またはチップの下のはんだの短絡を示します。
  • デジタル・マルチメータを使って、ゲート(赤色:正)からソース(黒色:負)への抵抗を測定(Ωレンジに設定):大きい値(100kΩ以上)でなければなりません。短絡(1Ω以下)は、チップの不良、またはチップの下のはんだの短絡を示します。

追加の電気テスト:完全に実装したプリント回路基板

  • 警告:失敗の再発の可能性を防ぐために、チップを取り付ける前にゲート駆動回路を検証します。
  • ゲート-ソース間にオシロスコープを接続して、ゲート信号を確認してください。
  • ドレイン-ソース間にプローブを接続して、FETがゲート信号に応答することを確認してください。
  • 主電源が回路基板に印加される必要があるかもしれません。もしそうなら、この電圧を、可能なら5V以下に維持してください。

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