GaNの話シリコンを粉砕するために捧げたブログ
200 VのeGaN<sup>®</sup> FETを使って、高効率、2.5 kW、汎用入力電圧範囲、力率補正(PFC)の400 Vの整流器を設計する方法

200 VのeGaN® FETを使って、高効率、2.5 kW、汎用入力電圧範囲、力率補正(PFC)の400 Vの整流器を設計する方法

11 03, 2020

謝辞:このアプリケーション・ノートと関連ハードウエアは、米テキサス大学オースティン校のSemiconductor Power Electronics Center(SPEC)と共同で開発されました。

動機

クラウド・コンピューティング、ウエアラブル、機械学習、自動運転、すべてのモノがインターネットにつながるIoTなどのアプリケーションの拡大によって、データ集約型の世界へと私たちを駆り立て、データセンターと電力消費に対する需要が増大しています [1,2]。交流から直流へのスイッチング電源の効率、電力密度、コストの重要性は、eGaN FETが超高効率力率補正(PFC)のフロントエンド整流器ソリューションを可能にして解決できる革新的なソリューションを牽引し、これに焦点を当てたアプリケーション・ノートHow2AppNoteもあります。

4レベル・フライング・キャパシタのマルチレベル(FCML)・トーテムポール・ブリッジレスPFCコンバータ

従来の2レベルのトーテムポール・ブリッジレスPFC構成は、定格650 VのGaN FETを使って高効率を達成するための一般的な選択肢ですが、主コイルの電力密度と損失の制限には対応していません [3]~[5]。4レベル・フライング・キャパシタのマルチレベル(FCML)・トーテムポール・ブリッジレスPFC構成は、200 VのeGaN FETを利用できる代替手段であり、最大の電源線間電圧274 VACRMSで動作し、V-秒の低減に利用でき、コイルの周波数逓倍によって、電力密度を大幅に増加でき、高効率のソリューションが得られます。FCMLトーテムポール・ブリッジレスPFC整流器の電力回路図が図1です。4レベルFCMLトーテムポール・ブリッジレスPFC整流器構成のさらなる利点は、必要なインダクタンスが小さいため、入力電流の高調波歪みを最小化でき、最大のピーク電源線電圧でさえもスイッチングが可能です。

図1. 4レベル・フライング・キャパシタのマルチレベルeGaN FETトーテムポールPFC整流器の回路図

4レベルFCMLトーテムポールPFCコンバータ向けの定格200 VのEPC2215

マルチレベル構成を採用することの多くの利点のうちの1つは、低耐圧デバイスを使えることです。この4レベル構成では、図1に示す高周波レッグで6個のカスケード接続された高周波デバイス(Q1〜Q6)が使えます。出力直流電圧は400 Vに設定されているため、各高周波デバイスの電圧ストレスは、わずか133 Vにマージンを加えた程度であり、200 Vのデバイスがこの構成に適していることが分かります。図2に示すオン抵抗RDS(on)が8 mΩで定格200 VのeGaN FETであEPC2215は、従来のシリコン・デバイスと比べて、スイッチング損失が小さく、駆動の電力消費が小さく、逆回復がゼロなので、高効率ソリューションが実現可能になります。

図2. 定格200 V、8 mΩのEPC2215のバンプ側写真

図3は、EPC2215と、15倍大きく、6.5倍のゲート電力を消費する同等の類似のMOSFETとのサイズの比較です。さらに、出力容量が大きいと、GaN FETと比べてMOSFETのスイッチング損失も増加します。

図3. EPC2215と最も近いMOSFETの対応品とのデバイス・サイズの比較。どちらも定格200 Vです。

実験による検証

2.5 kW、4レベル・フライング・キャパッシタのマルチレベル(FCML)GaN FETトーテムポールPFCコンバータを構成し、図4に示しました [7]。実験ユニットは、複数のカードで構成されています;1)EMI(電磁干渉)フィルタ、ハウスキーピング電源、バルク出力容量を備えたマザー・ボード、2)コントローラ・カード、3)GaN FETのフライング・キャパシタのマルチレベル・コンバータ・カードです。

図4. 完全なPFC整流器(a)と、FCMLブリッジレス・トーテムポール・コンバータ・カード(b)の写真

図5は、コンバータが入力電圧240 VACRMSで動作し、直流400 Vの負荷に2.5 kWを供給しているとき、測定された入力交流電圧、適切に制御されたコイル電流、およびマルチレベルのスイッチ・ノードの波形です。

図5. 2400 Wを直流400 Vの負荷に供給したときのコイル電流IL、交流入力電圧VAC、スイッチ・ノード電圧VSWの測定波形

4レベルFCMLトーテムポールGaN FETのPFCの最大2.5 kWまでの全体的な電力効率が図6です。ピーク効率は1.4 kWで99.25%、900 W以上では99%を超えています。

図6. 4レベルFCMLトーテムポールGaN FETのPFCコンバータの電力効率

結論

データセンターのアプリケーションに適した高効率、高電力密度、2.5 kW対応のeGaN FETベースの4レベル・フライング・キャパシタのマルチレベル・ブリッジレス・トーテムポール整流器を説明しました。定格200 V、8 mΩのEPC2215が高周波レッグで使われた結果、コンバータは900 Wから2.5 kWまで効率99%を超え、1.4 kWでピーク効率99.25%が得られました。完全なコンバータ・ソリューションの電力密度は125 W / 立方インチで、EMIフィルタ、バルク出力コンデンサ、コントローラ・カード、およびハウスキーピング電源を搭載しています。eGaN FETの優れた特性 [6] によって、このコンバータは、高電力密度、超高効率、低高調波歪みを実現できました。

参考文献

[1] A. Marashi, “Power Hungry: The Growing Energy Demands of Data Centers,” VXchange, June 28th, 2019, [On-line available, accessed Oct. 24, 2019] https://www.vxchnge.com/blog/power-hungry-the-growing-energy-demands-of-data-centers

[2] F. C. Lee, Q. Li, Z. Liu, Y. Yang, C. Fei and M. Mu, “Application of GaN devices for 1 kW server power supply with integrated magnetics,” in CPSS Transactions on Power Electronics and Applications, vol. 1, no. 1, pp. 3-12, Dec. 2016.

[3] Z. Liu, F. C. Lee, Q. Li and Y. Yang, “Design of GaN-Based MHz Totempole PFC Rectifier,” in IEEE Journal of Emerging and Selected Topics in Power Electronics, vol. 4, no. 3, pp. 799-807, Sept. 2016.

[4] L. Zhou, Y. Wu, J. Honea and Z. Wang, “High-efficiency True Bridgeless Totem Pole PFC based on GaN HEMT: Design Challenges and Costeffective Solution,” Proceedings of PCIM Europe 2015; International Exhibition and Conference for Power Electronics, Intelligent Motion, Renewable Energy and Energy Management, Nuremberg, Germany, 2015, pp. 1-8.

[5] Z. Liu, Z. Huang, F. C. Lee and Q. Li, “Digital-Based Interleaving Control for GaN-Based MHz CRM Totem-pole PFC,” in IEEE Journal of Emerging and Selected Topics in Power Electronics, vol. 4, no. 3, pp. 808-814, Sept. 2016.

[6] A. Lidow, M. de Rooij, J. Strydom, D. Reusch, J. Glaser, “GaN Transistors for Efficient Power Conversion,” 3rd Edition, J. Wiley 2020, ISBN 978- 1-119-59414-7.

[7] Q. Huang, Q. Ma, P. Liu, A.Q. Huang, and M. Rooij, “3kW Four-Level Flying Capacitor Totem-Pole Bridgeless PFC Rectifier with 200V GaN Devices,” in ECCE 2019.