高周波スイッチング可能な窒化ガリウム・パワー・トランジスタを使ったD級オーディオ・アンプのリファレンス設計EPC9106は、プロシューマ品質のサウンドを実現すると同時に、高効率化、小型化が可能で、ヒートシンクが不要です。
エフィシエント・パワー・コンバージョン社(EPC:Efficient Power Conversion Corporation、本社:カリフォルニア州エルセグンド)は2015年2月5日、150 W、8ΩのD級オーディオ・アンプ用リファレンス設計「EPC9106」を製品化しました。このデモ・ボードは、接地基準の4個のハーフブリッジ出力段で構成されるブリッジ接続負荷(BTL)設計を採用し、設計のスケーラビリティと拡張性を可能にします。eGaN® FETベースのシステムでは、D級オーディオ・システムの音響特性に影響を与えるすべての要素が最小化、または排除されます。
米インターシル社に買収された米D2Audio社の共同創立者で元CTO(最高技術責任者)のSkip Taylor博士によると、「eGaN FETのパワー段は、極めて高い直線性を備え、D級のPWM(パルス幅変調)信号を正確に大電力で再生できます。この高い直線性は、帰還量を大きくする必要性を低減し、究極的には、可能な限り最高のオーディオ品質を実現でき、きれいでさわやかな中・高周波と、タイトでソリッドな低周波の再生が可能です」。
EPC9106 は、米テキサス・インスツルメンツ社のeGaN FETゲート・ドライバLM5113と連携したeGaN FET(EPC2016 )を搭載しています。この基板は、高周波スイッチング可能なeGaN FETの能力によって、小さな面積で高音質のサウンドが得られることを実証しています。EPC9106の設計は、高効率で、いかなるヒートシンク(冷却器)も完全に不要であり、EMI(電磁干渉)/ EMC(電磁環境適合性)への潜在的な影響も減少させ、システム全体のコストも削減できます。
eGaN FET、ドライバ、コイル、入力/出力コンデンサなどを搭載したEPC9106のパワー・ブロックは、超小型の面積2.1 mm×1.6 mmにレイアウトされています。リファレンス設計のEPC9106は、サイズが小さいにもかかわらず、150 W、8Ωで効率96%、250 W、4Ωで効率92%が得られています。
デモ・ボードのEPC9106の単価は、1338.00米ドルです(米国での参考価格)。Digi-Key社のウエブ(http://www.digikey.jp/suppliers/jp/efficient-power-conversion.page?lang=ja)で購入でき、即時に配送されます。
設計情報とサポート:
EPCについて
EPCは、エンハンスメント・モード窒化ガリウムに基づいたパワー・マネージメント(電源管理)・デバイスのリーダーです。EPCは、最高のシリコン・パワーMOSFETよりも何倍も優れたデバイス特性を備えたエンハンスメント・モード窒化ガリウム・オン・シリコン(eGaN)FETを初めて製品化しました。DC-DCコンバータ、 ワイヤレス・パワー伝送、 包絡線追跡、RF伝送、パワー・インバータ、リモート・センシング技術(LiDAR)、 D級オーディオ・アンプ などの用途で、パワーMOSFETを置き換えられます。
報道関係の問い合わせ先
Efficient Power Conversion Corporation:Joe Engle、310.986.0350、[email protected]
eGaNは、Efficient Power Conversion Corporation, Inc.の登録商標です。