GaNパワー・トランジスタのEPC2106は、2 MHz以上でスイッチングするソリューションを電源システムの設計者に提供します。この結果、AM帯域との干渉がなく、フィルタリングのためのコストを削減できるので、低歪みのD級オーディオ向けに最適です。
エフィシエント・パワー・コンバージョン社（EPC：Efficient Power Conversion Corporation、本社：カリフォルニア州エルセグンド）は2015年8月4日、エンハンスメント・モードGaNトランジスタのモノリシック・ハーフブリッジ「EPC2106」を発売しました。2個のeGaN®パワーFETを集積して単一のデバイスにすることによって、デバイス間の相互接続インダクタンスやプリント回路基板上に必要な間隔が排除されます。エンド・ユーザーの電力変換システムの組み立てコストを削減できると同時に、効率（特により高い周波数で）と電力密度の両方を向上できます。
ハーフブリッジ構成のEPC2106 は、定格電圧100 Vで、オン抵抗RDS(on)の標準値は55 mΩ、出力容量は600 pF未満、逆回復電荷（QRR）はゼロ、パルス・ドレイン電流の最大値は18 Aです。GaNのオン抵抗と容量が小さいことによって、高効率化が可能で、D級システムの歪みを大幅に低減できます。EPC2106は、面積が1.35 mm×1.35 mmと非常に小型のチップスケール・パッケージに収められ、スイッチング速度と熱特性が向上しているので電力密度を高くできます。
GaNによる違いを聴いてください
GaNのオン抵抗と容量が小さく、高効率化が可能で、D級システムの歪みを大幅に低減できることを実証するために、D級オーディオ・アンプの参照設計EPC9106では、D級オーディオ信号の大電力を正確に再生するために、パワー段に高速スイッチング可能な窒化ガリウム・パワー・トランジスタを使っています。このシステムは、高効率、小型で、ヒートシンク（冷却器）なしでプロシューマの音質を実現しています。こちら（http://youtu.be/AokgH9AO9eA?t=22m3s）で、GaNベースのD級オーディオ・システムのデモをお聴きください。
開発基板が、製品を市場に投入するまでの時間を短縮
開発基板EPC9055は、面積2インチ×1.5インチ（1インチは2.54cm）で、1個の集積化したハーフブリッジ部品EPC2106と、米テキサス・インスツルメンツ社のゲート・ドライバLM5113、電源用とバイパス用のコンデンサを搭載しています。この基板は、すべての重要な部品を搭載し、最適なスイッチング特性が得られるようにレイアウトされているので、設計者は、GaNが自分のシステムにもたらす利点を迅速に評価することができます。
米国での参考価格と購入方法
モノリシック・ハーフブリッジEPC2106の1000個購入時の単価は、0.81米ドルです。
開発基板EPC9055の単価は、137.75ドルです。
Aいずれの製品も、Digi-Key社のウエブサイト（http://www.digikey.jp/suppliers/jp/efficient-power-conversion.page?lang=ja）で購入でき、即座に配送されます。
eGaN FETの設計情報とサポート：
EPCについて
EPCは、エンハンスメント・モード窒化ガリウムに基づいたパワー・マネージメント（電源管理）・デバイスのリーダーです。EPCは、最高のシリコン・パワーMOSFETよりも何倍も優れたデバイス特性を備えたエンハンスメント・モード窒化ガリウム・オン・シリコン（eGaN）FETを初めて製品化しました。DC-DCコンバータ、 ワイヤレス・パワー伝送、 包絡線追跡、RF伝送、パワー・インバータ、リモート・センシング技術（LiDAR）、 D級オーディオ・アンプ などの用途で、パワーMOSFETを置き換えられます。
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