GaNパワー・トランジスタのEPC2046は、ワイヤレス・パワー、マルチレベルのAC-DC電源、ロボット、太陽光発電用マイクロ・インバータなどの電源システム設計者向けで、同等の定格のシリコンMOSFETよりも面積が1/12と小さい耐圧200 V、オン抵抗25 mΩのパワー・トランジスタです。
エフィシエント・パワー・コンバージョン社(EPC:Efficient Power Conversion Corporation、本社:カリフォルニア州エルセグンド)は2017年5月25日、ワイヤレス・パワー、マルチレベルのAC-DC電源、ロボット、太陽光発電用マイクロ・インバータなどのアプリケーションで使えるパワー・トランジスタ「EPC2046」を発売しました。EPC2046の定格電圧は200 V、最大オン抵抗RDS(on) は25 mΩで、パルス出力電流55 Aを処理できます。
チップスケール・パッケージに収めたEPC2046は、チップスケール・デバイスなので、周囲に直接放熱されるため、プラスチック・パッケージ封止のMOSFETよりも、はるかに優れた熱特性が得られます。MOSFETチップは、熱がプラスチック・パッケージ内に保持されてしまいます。今回のデバイスの面積は、わずか0.95 mm×2.76 mm(2.62 mm2)です。設計者は、もはや、大きさか、特性かのどちらかを選ぶ必要がなくなります。すなわち、両方を得ることができます!
「最新の第5世代プロセスを使って製造されたEPC2046は、EPCおよび窒化ガリウム・トランジスタ技術が、eGaN®デバイスの性能を高め、コストを削減する方法を実証しています。これに置き換えることで、成熟したシリコンMOSFETの範囲を超えて、まったく新しいアプリケーションを開拓でき、既存のアプリケーションでMOSFETを使うユーザーは大きな付加価値が得られます。この最新の製品は、MOSFET技術とeGaN技術との間の性能とコストのギャップが広がり続けているということのさらなる証拠になります」と、EPCの共同創立者でCEO(最高経営責任者)のAlex Lidow(アレックス・リドウ)は語っています。
開発基板
開発基板の「EPC9079」は、デバイス電圧が最大200V、ゲート・ドライバを備えたハーフブリッジで、EPC2046、ゲート駆動用電源回路、バイパス・コンデンサを搭載しています。基板面積は、2インチ×1.5インチ(1インチは2.54cm)で、最適なスイッチング特性が得られるようにレイアウトされており、200 VのeGaN FET であるEPC2046を簡単に評価するための重要な部品がすべて搭載されています。
米国での参考価格と購入方法
eGaN FETのEPC2046の単価は、1000個購入時で3.51米ドル。
評価基板EPC9079の単価は、118.75ドル。
いずれも、Digi-Key社のウエブサイト(Digi-Key)で購入でき、即座に配送されます。
EPCについて
EPCは、エンハンスメント・モード窒化ガリウムに基づいたパワー・マネージメント(電源管理)・デバイスのリーダーです。EPCは、最高のシリコン・パワーMOSFETよりも何倍も優れたデバイス特性を備えたエンハンスメント・モード窒化ガリウム・オン・シリコン(eGaN)FETを初めて製品化しました。DC-DCコンバータ、 ワイヤレス・パワー伝送、 包絡線追跡、RF伝送、パワー・インバータ、リモート・センシング技術(LiDAR)、 D級オーディオ・アンプ などの用途で、パワーMOSFETを置き換えられます。
報道関係の問い合わせ先
Efficient Power Conversion Corporation:Joe Engle、310.986.0350、[email protected]
eGaNは、Efficient Power Conversion Corporation, Inc.の登録商標です。