EPC2366:40 VのGaN技術がパワー・エレクトロニクスのサイズを小型化し、効率を向上
GaNの話 – Maurizio Di Paolo Emilio
2 04, 2026
効率、サイズ、信頼性が最重要視され、絶えず進化を続けるパワー・エレクトロニクスの世界において、EPCは、最新のイノベーションであるEPC2366で新たなベンチマークを確立しました。この耐圧40 VのGaN FETは、面積3.3 mm×2.6 mmの超小型QFNパッケージに収められており、最先端のパワー半導体技術の好例となっています。
英EPDT誌の編集者のMike Green氏による最近のインタビューで、EPCのGaNアプリケーション・フェローであるMichael De Rooijは、EPC2366の卓越した性能を強調しました。この40 Vのデバイスは、標準オン抵抗がわずか840 µΩです:De Rooijによると、この効率と小型の組み合わせは、シリコンでは決して実現できないとのことです。
「これに相当するシリコン製品はありません。競合するシリコン・デバイスは、はるかに大きく、それでもEPC2366が提供する性能を実現することはできません」と彼は述べました。
Mike Green、英EPDT誌の編集者
Michael De Rooij、EPCのGaNアプリケーション・フェロー
高密度サーバー電源
EPC2366の主な用途は、高出力・高密度サーバー電源用の同期整流器です。De Rooijは、実際の実装例について次のように述べています:「私たちは、800 Vから12.5 Vへのコンバータを設計しました。このコンバータは、入力を直列、出力を並列にしたISOP構成の100 Vから12.5 Vへのモジュール8個を使って、6 kWの電力を処理できます。各モジュールは、出力にEPC2366を使い、合計480 Aの出力電流を実現しています。電流を効率的に管理するために、各位置で2個のFETを並列に接続しています」。
図1:ISOP(入力直列出力並列)構成
これらのGaN FETの小さな実装面積によって、高密度レイアウトが可能で、これはスペースと電力密度がますます制限される現代のサーバー・ラックにおいて極めて重要です。サーバーが、特に人工知能の仕事量向けの高出力CPU、GPU、TPU(Tensor Processing Unit)を搭載するように進化するにつれて、電力変換に対する需要は急速に高まっています。従来の48 Vの電力分配は、800 Vの直接直流給電に取って代わられつつあり、負荷点POL(Point-of-Load)の近くで12 Vに降圧します。この点において、EPC2366の小型サイズと低オン抵抗は、全体的な効率の向上と損失の最小化に大きく貢献します。
EPC2366は、サーバー電源以外にも、モーター駆動にも応用されています。De Rooijは、「最大32 Vで動作可能な小型の3相BLDCモーター駆動回路を設計しています。整流器用途が主な目標でしたが、これらのFETは、小型モーター・インバータにも有用であることが実証されています」と述べています。
GaNは、逆回復現象が存在しないなど、固有の利点を備えており、インバータは、より高いスイッチング周波数で動作できます。これによって、モーターの効率が向上し、リップル電流が低減し、より滑らかな正弦波励起が確保され、偶数次のトルク高調波が排除されるため、より静かで高精度な動作が可能になります。
モーター駆動と高周波インバータ
EPC2366は、モーター駆動にも使われています。De Rooijは、最大32 Vで動作可能な小型の3相BLDCモーター駆動について説明しました。「整流器が主な目標でしたが、これらのFETは、小型モーター・インバータにも有用であることが証明されています」と述べています。
GaN FETは、逆回復現象がないため、インバータは、より高いスイッチング周波数で動作でき、モーターの効率向上、リップル電流の低減、より滑らかな正弦波励起を実現します。これによって、動作音が静かになり、偶数次トルク高調波が排除されます。これは、ロボットや精密モーターにおいて重要な利点です。
業界全体にわたるアプリケーション
EPC2366による小型化と高効率化は、サーバー電源やモーター駆動以外にも新たな可能性を切り開きます。De Rooijとの対談の中で、彼は、ドローン、特に大型の産業用・商用モデルがGaN FETの軽量化と高効率化の恩恵を受ける理由を説明しました。分散型インバータをプロペラの気流経路の下に配置することで、冷却性能とシステム全体の性能を向上させることができます。
パワー・ステアリング・システムなどの自動車用アクチュエータも、GaN技術が進出している分野の他の例です。De Rooijは、RFアンプ、ワイヤレス・パワー・システム、MRI(磁気共鳴画像)スイッチング、産業用ツールなど、より特殊な用途についても語りました。
「効率的で小型な電力変換が必要なほぼあらゆる場所に、これらのデバイスを適用できます」とDe RooijはGreen氏に語りました。
差異化要因としての信頼性
信頼性は、EPCのデバイスのもう一つの特徴です。De Rooijは、最新世代のデバイスは、予測寿命が驚異的に長いと説明しました。100 Vのデバイスの場合、予測寿命は、10年から190年近くにまで飛躍的に伸びています。EPCは、16層プリント回路基板などの厳しい構成でもデバイスをテストし、極端な条件下でも優れた性能が得られることを実証しています。
「多くのユーザーが独自に厳格なテストを実施しています。競合他社のデバイスをテストした後、当社の部品が長期動作やさまざまな温度範囲にわたって、他社製品よりも優れていることを確認したユーザーもいます。こうしたフィードバックは、多くのことを物語っています」。
ロードマップとサプライ・チェーン戦略
EPCは今後、15 V、25 V、40 Vのデバイスを含む、より広い電圧範囲にわたってGaNポートフォリオを拡大していきます。例えば、15 Vのデバイスは280 µΩという低いオン抵抗を実現し、POLコンバータや中間バスの用途を対象としています。
De Rooijは、EPCの複数のパートナとのサプライ・チェーンについても話しました。これには、デバイスのバンピングやQFNパッケージングを担当する台湾のEpisil Technologies や台湾のVanguard International Semiconductorといったファウンドリが含まれます。この方法によって、単一のサプライヤに依存する必要性が低減され、大量の製品を購入するユーザーにとって非常に重要です。
結論
このインタビューから、EPC2366がGaN FET技術における大きな進歩であることは明らかです。小型でオン抵抗が低く、信頼性も実証されているため、高密度サーバー電源からモーター駆動回路、ドローン、産業用ツールまで、幅広い用途に最適です。
「シリコンには、これに相当するものはありません」とDe Rooijは、Mike氏との議論の中で結論づけました。「競合するシリコン・デバイスは、はるかに大きく、EPC2366が実現する効率と小型の組み合わせに匹敵するものはありません」。
拡大するロードマップ、厳格な信頼性テスト、強固なサプライ・チェーンによって、EPC は、次世代GaNパワー・デバイスの明確なリーダーとしての地位を確立しています。