評価基板のEPC9171は、90 V〜265 Vの汎用交流入力を15 V〜48 Vの広い範囲にわたって調整可能な直流出力電圧に変換します。このリファレンス・デザインは、出力電圧48 V、負荷電流5 Aで、最大出力電力240 Wを供給できます。
EPC（Efficient Power Conversion Corporation、本社：カリフォルニア州エルセグンド）は3月22日、USB PD3.1超急速充電器向けに設計された90 V～260 Vの汎用交流入力を直流出力電圧15 V～48 Vに変換する「EPC9171」を製品化したと発表しました。このリファレンス・デザインは、出力電圧48 V、負荷電流5 Aで、最大出力電力240 Wを供給できます。1次側回路と2次側回路の両方において、高いスイッチング周波数で動作する窒化ガリウム（GaN）・パワー・スイッチを使うことによって、約1.1 W/cm3の電力密度が得られます。
この240 Wのリファレンス・デザインは、面積がわずか83.7 mm×83.7 mmで、79％高い電力密度が得られています。これは、最近製品化された140 WのUSB PD3.1スリム充電器よりも優れており、出力電力240 Wを供給できます ーー 100 Wも大きな電力です！
EPC9171の設計で使われた電源回路は、2相インタリーブ・ブースト・コンバータの力率補正（PFC）段と絶縁型LCC共振パワー段で構成されています。出力電圧範囲が制限されているよく知られたLLC共振パワー段とは異なり、LCC共振コンバータは、広い出力電圧範囲のマルチポイント用途に最適です。
EPC9171は、PFC、LCC、2次側同期整流向けのGaNデバイスを使う「オールGaN」ソリューションです。このGaNソリューションは、標準的なシリコンMOSFETソリューションの2〜3倍の周波数でスイッチングできるため、非常に高い電力密度が実現可能になります。
PFCの場合、GaNパワー・スイッチは、200 kHzをはるかに超えて動作できるので、物理的寸法の小さいPFCコイルの利用が可能になります。LCC共振コンバータは、350〜580 kHzの周波数範囲で動作し、電源トランスのサイズと、共振回路内の他の受動部品のサイズを小型化することに貢献します。
同期整流器段は、LCC段の2次側に定格100 V、オン抵抗3.2 mΩのGaN FET であるEPC2218のペアを採用しています。このGaN FETは、高速同期整流器コントローラによって駆動され、出力の電圧と電流の範囲全体にわたる損失を最小化し、シンプルでありながら、効果的な熱設計を可能にします。
電力240 Wで、このソリューションは、ラップトップ・パソコン、ノート・パソコン、スマートフォンの超急速USB充電だけでなく、ゲーム・パソコン、電動自転車、電動キックボードなど、240 Wを必要とする他のアプリケーションにもUSB充電を拡張できます。48 Vバッテリーのコストが下がり続けるにつれて、AC/DC/SMPS充電器用途に、さらなるアプリケーションが出現しています。
「eGaN® FETとICは、USB PD3.1急速充電器の充電時間を短くすると同時に、大きさと重さをさらに削減するために必要な高速スイッチング、小型、高効率を提供します。EPC9171は、GaN技術が、低コストで在庫があり、すぐに納品できるデバイスを使って、大量の充電器用途向けに、小型化、高効率化、優れた熱特性を可能にする理想的な例です」とCEO（最高経営責任者）のAlex Lidow（アレックス・リドウ）は述べています。
米国での参考価格と入手方法
評価基板EPC9171の単価は1440米ドルで、米Digi-Key社のウエブサイト（https://www.digikey.com/en/supplier-centers/epc）から購入でき、即座に配送されます。
EPCについて
EPCは、エンハンスメント・モード窒化ガリウム（eGaN®）に基づいたパワー・マネージメント（電源管理）・デバイスのリーダーです。eGaN FETと集積回路は、DC-DCコンバータ、リモート・センシング技術（Lidar）、イーモビリティ向けモーター駆動モーター駆動 、ロボット、ドローン、低価格衛星などの用途で、最高のパワーMOSFETよりも何倍も高性能です。
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報道関係の問い合わせ先
Efficient Power Conversion：
Renee Yawger 電話：1.908.475.5702、電子メール：[email protected]