EPCのGaN FETは、米アナログ・デバイセズのドライバとコントローラを活用して、GaNの設計を簡素化し、効率を向上させ、冷却コストを削減し、コンピューティング、産業、民生の各用途向けのDC-DCコンバータの最高の電力密度の実現に貢献します。
EPC（Efficient Power Conversion Corporation、本社：カリフォルニア州エルセグンド）は2月13日、当社のGaN FETと米アナログ・デバイセズ（ADI）のコントローラを搭載したリファレンス・デザインの製品化を発表しました。
今回製品化した同期整流用バック（降圧型）・コンバータのリファレンス・デザイン基板「EPC9195」は、スイッチング周波数750 kHzで動作し、36 V～48 Vの入力電圧を安定化した13.5 V出力に変換します。28 mm×14 mmの非常に小さな実装面積、5 mm以下の低背高（コイルの高さ3.5 mm）で最大16 Aを供給します。この種の高密度DC-DCコンバータは、バッテリーや充電器からの48 Vの直流入力を安定化した標準12 Vの負荷に変換するために使われます。48 V入力は、USB PD 3.1による電力の増加と最大240 Wのケーブル配線の削減への取り組みによって、一般的になってきています。アナログ・デバイセズの新しい100 Vの同期整流用GaNバック・コントローラLTC7891とEPCの超高効率GaN FETであるEPC2619 を組み合わせることで、48 V入力、13.5 V出力、連続電流16 Aで効率96.4%を実現する超小型で高効率のソリューションが可能になります。
EPCのCEO（最高経営責任者）のAlex Lidow（アレックス・リドウ）は、「DC-DCコンバータの最大電力密度を達成するには、GaN FETが必要です。アナログ・デバイセズと協力して、同社の高度なコントローラの利点とGaNの性能を組み合わせて、効率と電力密度を高め、システム・コストを削減する最高の電力密度と部品点数の少ないソリューションをユーザーに提供できることを嬉しく思います」と語っています。
アナログ・デバイセズのシステム・アンド・アプリケーション部門ディレクタのKeith Szolushaは、「当社のLTC7890、LTC7891、LT8418、LT8390Aは、高電力密度ソリューション向けにEPCのeGaN FETの高性能と組み合わせられるように設計しています。これらは、非常に低い消費電力で動作すると同時に、市場の現在のソリューションをはるかに上回るより高いスイッチング周波数と最適化されたデッドタイムを提供します。これらの新しいICを使うと、ユーザーはGaNの非常に高速なスイッチングを利用して、最高の電力密度を実現できます」と述べています。
このリファレンス・デザインは、EPCの第6世代GaN FETである耐圧100 V、オン抵抗の標準値が3.3 mΩのEPC2619を搭載し、1.5 mm×2.5 mmの小さな実装面積（3.8 mm2）に収めているので、同社の第5世代デバイスと比べて、オン抵抗×面積を40%改善し、より優れた温度係数を備えています。アップグレードのために、フットプリントは第5世代のEPC2204 と同じです。
EPC9158は、スイッチング周波数500 kHzで動作するデュアル出力の同期整流用バック・コンバータのリファレンス・デザイン基板で、48 V～54 Vの入力電圧を安定化した12 V出力に変換し、1相当たり最大25 A、計50 Aの連続電流を供給します。GaNを駆動するためのアナログ・デバイセズの新しい100 Vのデュアル（2相）の同期整流用バック・コントローラLTC7890と、EPCの超高効率なGaN FETであるEPC2218／EPC2088を組み合わせることで、高電力密度用途向けの小さな実装面積で高効率のソリューションが可能になります。このソリューションは、48 V～12 V、50 Aの連続電流で96.5%の効率を達成できます。
EPC9160は、1相当たりスイッチング周波数2 MHzで動作するデュアル出力の同期整流用バック・コンバータのリファレンス・デザイン基板で、9 V～24 Vの入力電圧を3.3 Vまたは5 Vの出力電圧に変換し、両方の出力に最大15 Aの連続電流を供給します。スイッチング周波数が高いため、ソリューションのサイズは非常に小さく（2出力でわずか23 mm×22 mm）、コイルの高さは、わずか3 mmです。これをLTC7890と組み合わせると、このソリューションは、スイッチング周波数2 MHzを推奨する車載コンソール・アプリケーションに最適になります。加えて、コンピューティング、産業、民生、通信の電源システムには、小型サイズと、非常に薄いことが必要です。
アナログ・デバイセズのLTC7890とLTC7891には、ハーフブリッジ・ドライバとスマート・ブートストラップ・ダイオードが搭載されています。これらは、低Iq（静止電流）、最適化されたほぼゼロのデッドタイムまたはプログラム可能なデッドタイム、および最高3 MHzのプログラム可能なスイッチング周波数を提供します。5 µA（VIN＝48 V、VOUT＝5 V、チャネル1 のみ）の静止電流によって、非常に低いスタンバイ消費電力と軽負荷時の優れた効率が実現できます。アナログ・デバイセズの評価基板EVAL-LTC7890-AZは、EPCのFETであるEPC2088とEPC2204を備え、入力電圧30 V～72 Vで出力5 Vおよび12 Vに、それぞれ20 Aの電流を供給します。EPCのFETであるEPC2088を搭載した評価基板は、出力電圧12 V、入力電圧36 V～72 Vで出力電流20 Aを供給します。
アナログ・デバイセズのスマート統合ブートストラップ・スイッチを備えた100 Vのハーフブリッジ・ゲート・ドライバLT8418は、高いスイッチング周波数能力（最高10 MHz）、高速伝播遅延（標準10 ns）、短いデッドタイムの伝播遅延時間の整合性（標準1.5 ns）、短い最小パルス幅（11 ns）、および非常に低い抵抗のゲート駆動によって、EPCのGaN FETの駆動に最適です。正確な低電圧および過電圧のロックアウト保護も備えています。この評価基板EVAL-LT8418-BZは、ハーフブリッジ構成のEPCのEPC2204（GaN FET）を搭載し、最大80 V入力、スイッチング周波数100 kHz～10 MHz、最大電流10 Aをサポートします。アプリケーション・ノートには、ヒートシンクを使用した場合と使用しない場合の500 kHzと1 MHzでの結果が記載されています。
アナログ・デバイセズのLT8390Aは、最高2 MHzのスイッチング周波数で、5 Vのゲート・ドライバを内蔵した60 Vの高周波4スイッチのバック／ブースト（昇圧型）・コントローラです。オプティマイザとバッテリーの充放電のための電流と電圧の制御ループを提供します。このリファレンス・デザインEVAL-LT8390A-AZは、入力電圧8～60 V、出力電圧24 Vで動作し、高効率でスイッチング周波数2 MHz、5 Aの連続電流を供給します。サイズはわずか2×3 cm（現在の100 WのSi MOSFETソリューション・サイズの半分）で、6×6×6 mmの小さなコイルを備えています。
米国での参考価格と入手方法
EPCのデモ・ボードEPC9158、EPC9160、EPC9195の単価は、いずれも480米ドルで、米Digi-Key社のウエブサイト（https://www.digikey.com/en/supplier-centers/epc）から注文でき、即座に配送されます。
アナログ・デバイセズのGaNベースの評価基板EVAL-LTC7890-AZ、EVAL-LTC7891-AZ、EVAL-LT8418-BZ、EVAL-LT8390A-AZのアプリケーションの詳細については、同社のアプリケーション部門ディレクタのKeith Szolusha（[email protected]）にお問い合わせください。同社のLTC7890、LTC7891、LT8418、LT8390Aの入手と価格の詳細については、Tae Han（[email protected]）にお問い合わせください。
EPCについて
EPCは、エンハンスメント・モード窒化ガリウム（eGaN®）に基づいたパワー・マネージメント（電源管理）・デバイスのリーダーです。eGaN FETと集積回路は、DC-DCコンバータ、 リモート・センシング技術（Lidar）、イーモビリティ向けモーター駆動、ロボット、ドローン、低価格衛星 などの用途で、最高のパワーMOSFETよりも何倍も高性能です。
ソーシャル・メディア：LinkedIn、YouTube、Facebook、Twitter、Instagram、YouKuをフォローしてください。
報道関係の問い合わせ先
Renee Yawger 電話：1.908.475.5702、電子メール：[email protected]
eGaNは、Efficient Power Conversion Corporation, Inc.の登録商標です。